数字で分かる

役員社宅|マンションの固定資産税評価額・課税標準額の調べ方

役員社宅にするマンションの固定資産税課税標準額を調べるイメージ

役員社宅の賃貸料相当額を計算しようとすると、最初につまずくのが「物件の固定資産税の課税標準額(税額を計算する基礎になる金額で、後述のとおり評価額とは別物です)をどうやって調べるか」です。特にマンションを借り上げる場合、書類は所有者(オーナー)に届くため、会社の手元には無いのが通常です。

この記事では、賃貸料相当額の計算に必要な固定資産税の課税標準額について、自社所有と借り上げでの入手方法の違い、区分所有マンションの按分、評価額との違い、実務の注意点までを整理します。計算式そのものは賃貸料相当額の計算方法で解説しています。

計算に必要なのは「課税標準額」

賃貸料相当額の計算に課税標準額が必要なイメージ

役員社宅の賃貸料相当額は、物件の固定資産税の課税標準額をもとに計算します(出典: 国税庁 No.2600)。具体的には、建物と敷地それぞれの課税標準額を式に当てはめて算定します(出典: 所基通36-40・36-41)。つまり、この課税標準額が分からないと計算が始まりません。まずはこの数字をどう手に入れるかが実務の最初の関門です。

評価額と課税標準額は別物

固定資産税の評価額と課税標準額の違いのイメージ

調べる前に押さえておきたいのが、「固定資産税評価額」と「課税標準額」は同じではないという点です。評価額をもとに、土地については住宅用地の特例などを反映して課税標準額が決まります(建物は評価額とほぼ同額になるのが一般的です)。賃貸料相当額の計算で使うのは課税標準額のほうです。

用語意味
固定資産税評価額市区町村が固定資産税を課すために定める、その土地・建物の価格。3年ごとに見直される
課税標準額評価額をもとに、土地は住宅用地の特例などを反映して決まる、税額計算の基礎になる金額。賃貸料相当額の計算で使うのはこちら

注意

課税明細書には「価格(評価額)」欄と「課税標準額」欄が別に印字されています。どちらの金額を使うかを取り違えると計算がずれるため、課税標準額の欄を確認してください。

自社所有と借り上げで入手方法が違う

課税標準額の書類を取得するイメージ

課税標準額の調べ方は、その物件を会社が所有しているか、オーナーから借り上げているかで大きく変わります。

区分入手方法
自社所有会社に届く固定資産税の納税通知書・課税明細書(納税通知書に同封される、物件ごとの評価額・課税標準額の内訳表)で確認できる
借り上げ納税通知書は所有者(オーナー)に届くため会社の手元に無い。オーナーに課税明細書の写しを依頼する/市区町村で固定資産公課証明書(課税標準額が記載される)を取得する/固定資産課税台帳(名寄帳)を閲覧する、などの方法がある

借り上げマンションが実務では大半で、この入手に最も手間がかかります。オーナーから課税明細書の写しを受け取る方法が最も簡便です。応じてもらえない場合、課税標準額を確認するには固定資産公課証明書(評価額と課税標準額の両方が記載されるもの)を市区町村で取得します。自治体によっては固定資産評価証明書に課税標準額が併記される場合もあります。

また、借地借家人(=物件を借りている会社)には固定資産課税台帳(名寄帳)の記載事項を閲覧できる制度があり(地方税法)、賃貸借契約書の写しなどを提示して物件所在地の市区町村で確認できる場合があります。オーナーの協力が得にくいときでも、自社で課税標準額にたどり着けるルートです。閲覧できる範囲・必要書類・手数料は自治体によって運用が異なるため、窓口に事前確認してください。自社所有と借り上げの違いは借り上げ社宅・住宅手当との違いでも整理しています。

補足

契約時にオーナーへ課税明細書の写しの提供をお願いしておくと、後の計算がスムーズです。導入全体の手順は役員社宅の導入手続きで解説しています。

区分所有マンションの按分

区分所有マンションの敷地按分のイメージ

分譲マンションのような区分所有物件(1棟を住戸ごとに分けて所有する物件)では、計算がやや複雑になります。建物は自分の住戸部分(専有部分)の課税標準額を使い、敷地は敷地全体のうち自分の住戸が占める割合(持分=敷地権の割合)で割り振った(按分した)金額を使います。廊下やエントランスなど住民共有の部分(共用部分)の床面積の扱いも計算に影響します。

按分の割合は登記事項証明書などで確認できますが、金額の当てはめは間違いが起きやすい部分です。区分所有マンションの場合は、算定を顧問税理士に確認しながら進めると確実です。小規模な住宅かどうかの面積判定も計算方法を左右します(出典: 所基通36-40・36-41)

実務の注意点

課税標準額を調べる実務の注意点のイメージ

よくある質問

課税標準額の調べ方に関するよくある質問のイメージ

固定資産税の評価額と課税標準額は同じですか?

同じではありません。評価額(固定資産税評価額)をもとに、住宅用地の特例などを適用して課税標準額が決まります。賃貸料相当額の計算で使うのは課税標準額です。どちらの金額かを取り違えると計算がずれるため、書類上の表記を確認してください。

借り上げたマンションの課税標準額はどうやって調べますか?

納税通知書は所有者(オーナー)に届くため、会社は手元に持っていないのが通常です。オーナーに課税明細書の写しの提供を依頼する方法や、物件の所在する市区町村で固定資産公課証明書(課税標準額が記載されるもの)を取得する方法、借地借家人として固定資産課税台帳(名寄帳)を閲覧する方法があります。賃借人が取得・閲覧できる範囲は自治体によって運用が異なるため、窓口に確認してください。

区分所有マンションでは何を使いますか?

専有部分の建物の課税標準額に加えて、敷地はその住戸の持分(敷地権の割合)に応じて按分した金額を使います。共用部分の床面積の扱いも計算に影響するため、区分所有では算定がやや複雑になります。詳しい計算式は賃貸料相当額の計算方法をご覧ください。

課税標準額は毎年変わりますか?

固定資産税は評価替えや年度によって金額が変わることがあります。賃貸料相当額の計算では「その年度の課税標準額」を使うため、最新の年度の金額を確認します。

まとめ

課税標準額を確認して役員社宅の導入を進める経営者のイメージ

役員社宅の賃貸料相当額の計算では、多くのケースで固定資産税の課税標準額が出発点になります。自社所有なら納税通知書で確認でき、借り上げならオーナーへの依頼か市区町村での取得(固定資産公課証明書や課税台帳の閲覧)が必要です。評価額と課税標準額の違い、区分所有マンションの按分に注意すれば、計算の準備は整います。

トラストワンは、こうした課税標準額の取得から賃貸料相当額を織り込んだ資料作成までを代行し、経営者の手間を引き受けます。大阪での進め方は役員社宅の導入代行(大阪)をご覧ください。税務上の判断は顧問税理士と連携して進めます。

課税標準額の取得や賃貸料相当額の計算を手間なく進めたい経営者様は、
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免責事項

本記事は役員社宅制度に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断を示すものではありません。固定資産税の課税標準額の取得方法は自治体により異なる場合があります。実際の適用にあたっては、税理士等の専門家や市区町村にご確認ください。